こどもと楽しい生活を!!

子どもとの遊び、国子どもとの暮らしをテーマに、旅行や遊び、バイリンガル育児について綴っています♪

バイリンガルには勝手にならない

はじめに 

 最近テレビやインターネット、雑誌などでも、国籍が異なる両親から生まれたいわゆるミックスの芸能人やモデルを見る機会が増えました。中には英語が話せないのに、話せると思われて街中で外国人から声をかけられるなどのエピソードを話している人を見かけたりもします。私も以前は、そういった芸能人やモデルを見るたびに『ミックスなのに話せないの?』とか『親が教えなかったの?』と、色眼鏡で見てしまうことがありました。私は、両親のどちらかが英語を話す人の子どもは、自然に英語が話せるようになるもんだと勝手に思っていました。しかし、いま現在、自分が息子に英語と日本語を教育する立場になってみて、簡単に覚えられるものじゃないんだと痛感しております。そこで、息子をバイリンガルにする難しさをちょっと綴ってみたので、誰かの今後の教育の役に少しでも立てればと思います。

ブレブレの教育と葛藤の日々

 夫は英語が日本語よりも大切だと考えているので、夫は息子が生まれた時から英語で話しかけるようにしています。確かに英語を話せたら、世界のいろいろな国の人とコミュニケーションを取れますからね。私としては、将来的に役に立つように、息子にはどちらの言語もしっかり覚えて欲しいと望んでいます。

私は、今現在日本に住んでいるから、息子は圧倒的に日本語に触れる機会の方が多いし、日本語は自然に身に着くだろうと考えていました。息子の身の回りに英語を話す人が夫だけだと覚えないだろうと考え、私も家庭の中ではなるべく英語の単語も教えようと思っていました。家の中でもなるべく読む絵本は英語を選び、英語の歌を聞かせ、アニメや動画も、英語のものばかり見せていました。

 そんな息子は、言葉を話し出すのが遅かったです。1歳になっても言葉という言葉を話せず、1歳半でやっと『ダディ』とか『ブーブー』とか『アッポー』(アップル)などの言葉を話し出しますが、それでも数えるくらいの単語だけでした。一般的には2歳になると二語文をいうようですが、全く話せませんでした。言葉が遅いながらも、息子は日本語よりも英語の単語の方を先に覚えていきました。私が日本語よりも英語を重視して教えていたのもあると思いますが、息子の覚えていく過程を見ていると、日本語よりも英語の方が子供にとっては発音しやすいようでした。りんご➡アッポー 牛乳➡ミルク 犬➡ドッグ(ドギー) 車➡カー 電車➡トレイン…たしかにどれも英語の方が言いやすいですよね。

 しかしやはり、息子の検診の度には、言葉の事は要観察と言われました。保健師さんに『夫がアメリカ人で、両方の言葉を教えているので遅いんだと思います』と話しても、「日本に住むなら日本語からちゃんと教えた方がいいと思いますけど」と言われたり「言語が遅いのは発達的な何かがあるかもしれないから、お母さんが心配だったら相談してみますか」と言われたり…。

また、実家に帰る度に、言葉をあまり話さないことを私の両親や知り合いの人に心配され、『たくさんお母さんが話しかけてあげないと!!』と言われたりもしました。息子のペースで覚えるはずと気にしないようにしようとしてましたが、周りから色々と言われて、私自身もだんだん不安になっていき、正直すごく落ち込みました。

公園に遊びに行っても、うちの息子は他の同じ年代の子どもみたいにペラペラ話せないし、単語が出てきても息子は英語で話すから通じなくて、『えっ?』て感じで見られたりして、可哀そうかなぁと思ったりした時もありました。他の子と比べてしまって、公園に連れて行くのを躊躇した日々もありました。そうなると、まずは日本語を優先的に教えていかなきゃ友達とコミュニケーション取れないよなぁと考えたり、本当に色んな葛藤がありました。

お父さんは英語、お母さんは日本語にシフトチェンジ 

 息子が三歳になり、少しずつではありますが、やっと二語、三語と話し始めるようになりました。その頃私は、まず英語は夫に任せて、私は日本語を教えることに集中するべきだということに気づき、私自身の考えを改めました。

父=英語、母=日本語と息子も理解すれば良いのではないかと!!

日本にいるし、自然と日本語は覚えると思っていたけど、そうじゃないですよね…。考えてみたら、家庭の中で日中は母親と二人っきりで、その母親が英語を優先して教えていたら日本語は身に付きませんよね。増してや、私の実家に帰ってたくさんの人の日本語に触れるのも数か月に一度だけ。日本にいようがどこの国にいようが、家庭の中という環境にしかいない子どもには、どちらの言語もバランスよくしっかり教えていかなきゃいけないんです。バイリンガルにしなきゃ!!っていう思いだけが先走って、私がしっかり覚えて欲しいと望んでいる日本語が疎かになっていたんです。

 それから、私は息子に対しては日本語だけを使うように意識しました。寝る前に絵本を読むときは、英語の絵本は夫が読んで、日本語の絵本は私が読み聞かせするようにしました。

最近では、英語と日本語が別の言葉だというのも理解するようになったみたいで、自分から「Daddy,English・ママ、日本語」と言うようになって、理解してきているんだと嬉しく思いました。

そして社会との関わりが重要

 やはり一番大きかったのが、息子を満三歳で幼稚園に入れたことです!!息子は4月生まれなので、幼稚園に入れるとなると、早生まれの子と比べて一年近く家で過ごさなければなりません。なんかこの時間がもったいない気がして、早くお友達を作って色んな事を学んで欲しいなと考えました。そしたら自然と言葉を覚えるんじゃないかと!!(決して、私が楽をしたいというわけではありません(;'∀')笑)そしたら本当に、あっという間に言葉を覚えて、たくさん話すようになりました。本当に驚きです!!今までも、何人か公園で遊ぶお友達はいましたが、やはり幼稚園で年上の子や異性の子、色んなタイプの子と関わって、揉まれてくると、言葉も覚えるようです。

『見たい』を『見るたい』と言ったり、音楽を聴きたい時に『音楽ちょうだい』と言ったり(たしかに英語で『music,please』っていえば通じるけど)、間違いはありますが、確実に話せるようになっていっています。幼稚園から帰ってくると、今まで知らなかった単語を覚えてきて使っているので、その覚えた単語を使って家庭でも会話をするよう意識しています。日本語が話せるようになってきたと同時に、英語の二語文、三語文も使えるようになってきました。『Look at this,Daddy』『I playing』『 Daddy driving』『 I want it』などと夫に話しかけています。夫の友達が遊びに来た時も、「この人は英語」と理解して、英語で話しかけています。日本語同様、文法の誤りはありますが、着実に進歩しています。

 

最後に

  まだまだ先の話かもしれないけど、周りの友達がどちらかの言語だけを話す人になった時や、年頃になり、アイデンティティーを意識するようになったりした時に、きっとまた色んな問題も出てくるんだろうなぁと今から考えたりしています。息子がどうしていくのかわかりませんが、親も覚悟を持って根気強く、ブレずにしっかり向き合って教えていかなきゃいけないと思います。

そしてなにより、本人がどちらもしっかりと身に着けようとする気持ちがなきゃ覚えられませんよね。私の知り合いに、小・中学時代をアメリカで過ごした帰国子女がいますが、小さい時に住んでいたから話せて当たり前に思われるようですが「住んでいたからペラペラ話せるわけじゃないよ。私も話せるようになるためにすごく勉強して努力したんだよ」と言っていたのを覚えています。自然に身につけてもらうために、親や周りのサポートや環境作りって、本当に大事だと身に染みて感じている今日この頃です。またしばらくしたら、息子はどうなっているのか綴りたいと思います。